皆さんはどんなサイズ(レイアウト)のキーボードを使用していますか?あまり意識したことがない方も多いと思います。例えば、テンキーのある・ない、矢印キーのある・ない、など、キーボードはその用途に応じてキーの数が異なっています。今回の記事ではキーボードのサイズに着目して、その違いや、どのように使い分けるとよいかなどについて考えていきたいと思います。
キーボードのサイズを%(パーセント)で表す
キーボードのサイズについてはパーセントで表すことが多いです。一般的なものは100%、80%です。こだわりのある人向けに、60%や、40%というキーボードも存在します。パーセントで表すメリットとしては、矢印のあるなしや、テンキーのあるなしで表現するより直感的にわかりやすいからです。つまり、サイズに伴ってキーのレイアウトが変わるため、キーレイアウトと表現することも多いです。むしろ、レイアウトに伴ってサイズが決まるため、本記事ではキーボードレイアウトと表現したいと思います。
以下にキーボードのパーセントごとの特徴を指標で示したいと思います。指標は筆者の独断で星の数とコメントで表します。
- 携帯性
- デスクスペース
- 入力しやすさ
- 価格
- 適した使用用途
- 適さない使用用途
100%キーボード
キーボードをイメージした際に最も思い浮かぶ形ではないでしょうか?いわゆるフルサイズキーボードです。横幅が結構長いので、デスク上に置くとマウスを移動する範囲が狭まるため、実は結構使いにくいと筆者は考えています。
- 携帯性:★☆☆☆☆
大きいです。携帯には不便ですし、携帯しようと思う人も少ないでしょう。
据え置きで使用するのが良いです。 - デスクスペース:★☆☆☆☆
結構大きいです。前述しましたが、マウスを右手で使う人が多いと思いますが、ちょうどマウスが移動するエリアにテンキーがあるので結構邪魔になります。 - 入力しやすさ:★★★★☆
機能キー(Fキーや、Homeキーなど)がすべてそろっているため、Fnキーとの組み合わせで押す必要がなく、シンプルな使い方が可能です。また、テンキーがあるので、数字をたくさん入力するには適しています。 - 価格:★★★★★
100%(フルサイズ)キーボードは最も一般的であり、数も出回っているため比較的安価なケースが多いです。また、デスクトップPCを購入した際に付属しているシンプルなキーボードもこのサイズであることが多いため、低価格帯のキーボードでの流通量が多いと感じています。 - 適した使用用途:数字の入力が多いケース。
- 適さない使用用途:狭いデスクスペースで使用するケース。
80%キーボード
100%キーボードからテンキーを省いたキーボードレイアウトです。ノートPCは80%であることが多いです。ただし、ノートPCは省スペースをより重視しているため、右側のCtrl、Fnキーが小さくなり、空いたスペースに矢印キーがさらに小さくなって入り込んでいることが多いです(下図2個目)。
- 携帯性:★★☆☆☆
100%キーボードよりは省スペースですが、この80%キーボードも携帯することを考えない方が良いと思います。それなりにサイズはありますので。 - デスクスペース:★★☆☆☆
テンキーがない分マウスの移動エリアが確保されて幾分か邪魔にならないです。 - 入力しやすさ:★★★☆☆
テンキーがなくなったため、入力のしやすさは100%に対して星を1つ減らしました。
ただし、テンキーを重宝している人は実はなかなか少ないと思いますので、正直なところ100%キーボードとあまり変わらないと思います。
下図に示したノートPCの80%キーボードでは矢印キーが小さくなるため、少し入力しずらさがあります。 - 価格:★★★★☆
100%キーボードよりは低価格帯のキーボードのモデル数が少ないと感じています。 - 適した使用用途:全ての用途。バランスが取れているためどのケースにも適しています。
- 適さない使用用途:デスクスペースが極端に狭いケース。
ノートPCは下図のようにキーを省スペース化していることが多いです。
Fキーを立て幅を薄く、Ins/Del/Home/EndキーなどはFnキーとの組み合わせに、矢印キーを小さくし、右下に入り込ませているようなレイアウトです。
60%キーボード
主に矢印キー、Fキーがなくなり、それらはすべてFnキーとの組み合わせで入力することになります。筆者の独断では、60%キーボードが最も良いと考えています。ただし、用途や好みによって大きく分かれることや、逆に不便さを感じる人も多いのがこのレイアウトの特徴です。下図を見ていただくと、キーがかなり減って省スペースになることがわかると思います。
- 携帯性:★★★
商品によって異なりますが、サイズ感としてテンキーと矢印キーがないため、持ち運びしやすいサイズ感になります。また、持ち運びして使うことを視野に入れた商品も販売されているサイズになります。 - デスクスペース:★★★☆☆
デスクがすっきりして大変良いです。矢印キーがある80%キーボードでは若干マウスの移動を妨げていましたが、60%キーボードでは妨げているようなことは一切ありません。 - 入力しやすさ:★★☆☆☆(独断の★★★★☆)
矢印キーがないことや、Fキーがないことで使用しにくいと感じる方が多いと思いますので、★2つとしています。一般的には100%または80%を使用している方が多いと思いますので、60%に乗り換えた際に使いづらさを感じることは避けられません。
ただし、60%キーボードについては慣れに応じて2つに分かれます。1つはやはり入力しにくいと感じるケース、もう1つは効率が向上してとても入力しやすいと感じるケースです。独断の★4つは後者のケースを示しています。60%キーボードでは、矢印キーなどはFnキーとの組み合わせで入力するため、ホームポジションからの手の移動量が少なく結果的に効率的な入力が可能になります。60%キーボードにおける入力の効率向上については、別の記事でも書きたいと思います。 - 価格:★★☆☆☆
60%キーボードはこだわりを持った人でないと買わない場合が多いので、流通量やモデルの数が少なく、必然的に価格が高傾向にあります。ただし、こだわりを持つ人向けに作っているため、一概に高いとは言えず、キースイッチや素材などが高品質なもので作られているため高価なケースが多いと思われます。 - 適した使用用途:文字入力がメインのケース。タイピング量が多いエンジニアなど。
キーボードを持ち運んで常に使い慣れたキーボードを使いたい人。 - 適さない使用用途:矢印キーを頻繁に使用するケース。
矢印キーがFnキーとの組み合わせなので煩わしく感じるかも。
40%キーボード:マニア向け
大手のキーボードメーカーではほとんど販売していません。
また、限りなくキーの数を減らすため、英字キーボードをベースにしている40%キーボードがほとんどです。また、40%キーボードは特に決まったフォーマットもないため、メーカーによって配置が大きく異なります。下図はあくまで例として記載しています。
40%キーボードは100%キーボードに存在する機能キー(Home/End/Esc/Fキー)などをFnキーの組み合わせだけでは表現できません。すべてのキーをFnキーと組み合わせても40×2で80%しかカバーできないことになります。そのため、Fnキーが二種類あったりします。二種類のFnキーを組み合わせることで少ないキーでも複数の意味を持たせることができます。
40%キーボードはかなりマニア向けで、入力効率が上がるのか下がるのかを決めるのは、使う人がどれだけこのキーボードをカスタマイズして使いやすさを極めることができるかどうかにかかっています。大抵の40%キーボードはキーのカスタマイズが可能になっており、所有者によってキー配置が書き換えられているため、所見者では扱うことがほぼ不可能と言っても過言ではありません。もし、職場などで40%キーボードでの入力が必要になった場合(そんなことはほぼないですが)はあきらめましょう。笑
- 携帯性:★★★★★
- デスクスペース:★★★★☆
- 入力しやすさ:★☆☆☆☆(極めた先に★★★★★?)
- 価格:★★★★★
40%キーボードは総じて数万円はします。また、自作でないと入手できないパターンもあるため、既製品を購入してすぐに使用することは難しいかもしれません。基板を購入してはんだ付けする必要のあるキーボードもあります。この点もマニア向けと言える理由です。 - 適した使用用途:キーボードのカスタマイズに興味がある人。
キーボードのミニマム化を極めたい人。 - 適さない使用用途:一般的な用途すべて。
安易に40%キーボードに手を出すと危険です。
まとめ
今回は後半になるにつれてかなりマニアックな内容となりましたが、いかがだったでしょうか。皆さんが普段使用されているキーボードは100%か80%であることが多いのではないでしょうか?筆者は日頃60%キーボード使用しており、大変入力しやすいため強く薦めています。この機会に使用しているキーボードのサイズ(レイアウト)を見直して、用途に合ったキーボードを検討いただくのも良いかもしれません。また、これから新しくキーボードの購入を検討している方は、どのサイズ(レイアウト)を買うかというところから検討いただくとよいと思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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