一眼レフの楽しみ方:PENTAX AUTO110 作例紹介

カメラ

本日はかなりマニアックなカメラについて記事を書きたいと思います。
一見古そうなカメラですが、実はこれ機能性が高くとても撮影が楽しいカメラなんです。今日はこのPENTAX AUTO110について、魅力をお伝えできたらと思います。

PENTAX AUTO110ってどんなカメラ?

1978年に「旭光学工業株式会社」から発売された”一眼レフフィルムカメラ”です。
使用するフィルムは所謂35㎜フィルムではなく、110フィルムを使用します。

110フィルムとは?通常のフィルムとは何が違う?

110フィルムは、ワンテンフィルムと読みます。110フィルムを使用するカメラを「ポケットカメラ」と呼んだりします。一方、通常の(広く出回っている)フィルムカメラで使用するフィルムは135フィルム(一般的に35mmフィルムという)を使用します。それぞれの違いは下記のとおりです。

35mmフィルム110フィルム
画面サイズ24mm×36mm13×17mm
流通期間1900年代初頭~現在も販売中1972年~およそ2010年に生産終了
2012年からロモグラフィーにて生産再開

上記の通り、110フィルムは35mmフィルムと比較して、縦横幅がそれぞれおよそ半分であり、小さい画面サイズのフィルム規格であることが分かります。

また、110フィルムは35mmフィルムに比べて半世紀近く登場が遅かったものの、先に生産を一度終了してしまっています。確かに筆者としても、今まで扱ったフィルムカメラは図らずもすべて35mmフィルムでした。多くの方が同様ではないでしょうか。そういった意味でも110フィルムは大変”レア”なフィルムであったと考えられます。

AUTO110を眺めてみよう

いかにも一眼レフというようなシルエットをしています。
また、PENTAXというロゴの上部はペンタプリズムが実装されています。ポケットカメラとも呼ばれる110フィルムを使用しているもののここまで本格的な一眼レフを開発したのはさすが旭光学さんですね。

画像からもわかる通り、マニュアルフォーカスリングを回して調整します。
また、一眼レフであるため、レンズを交換することが可能です。交換レンズについてはまた後程記事に書きたいと思います。

上から見たところです。左側にあるキャップをはずすと、フラッシュを取り付けるネジが登場します。
このカメラはカメラ本体と同じくらいのサイズのフラッシュを取り付けることができます。

フラッシュを取り付けてみました。先ほどカメラ本体と同じくらいのサイズと書きましたが、むしろカメラ本体より大きいですね。笑
フラッシュを付けた状態では、もはやポケットカメラと呼べないサイズかもしれません。このフラッシュは現代のカメラについているようなLEDフラッシュではないので、発光後に少し光が残る感じがフラッシュらしくて気に入っています。

フラッシュを付けた姿がまたお洒落じゃないですか?

蓋を開けた様子です。
ここにカートリッジ状の110フィルムをセットします。
見ずらいですが、右のほうに少し見えているのはボタン電池×2です。とてもアナログなように見えて、実はこのカメラハイテク(?)です。何がハイテクなのかは後述します。

PENTAX AUTO110の神髄

ここまでの記事を読んで、「結局このカメラ何が凄いの?」、「小さいだけ?」などなど、もやもやとした疑問が浮かんでいることでしょう。ここでこのカメラの最大のアピールポイントを紹介したいと思います。

それは”AUTO”です。機種名に入っているAUTOという文字。結局何がAUTOなのかというと、シャッター速度がAUTOなのです。シャッタを半押しすると光量を判定して、シャッター速度を自動的に制御してくれます。

雑絵で恐縮ですが、カメラのファインダーを覗いた際に見える景色を書きました。
シャッターを半押しした際に、ファインダー内の右下に、グリーンまたはオレンジのランプが点灯します。光量が十分の際にはグリーンに光ります。光量が不十分な際にはオレンジに光ります。これにより、光量の大体の目安が分かります。さらに、シャッターを切るとその時の光量に応じたシャッター速度でシャッターを切ってくれます。

見るからにアナログなカメラですが、光量によってシャッター速度が明らかに変わるので、とても不思議な気分でいつも撮影をしています。当時は大変画期的な機能だったのだと思います。

PENTAX AUTO110の作例

冬の湖を撮ってみました。それなりに良い写真が撮れたのではと思います。ただ、フィルムサイズが小さいこともあって、かなり解像度が低く、全体的にざらついているような写りになっています。これは使用しているフィルムが25年以上も前の(!?)当時販売していたものを使用しており、それが原因になっているかもしれません。

令和に撮った写真ですが、平成初期のような雰囲気を感じられる写真ではないでしょうか。最新のデジタルカメラで撮るのとはまた一味違う写真が取れて、筆者としては大満足です。

110フィルムの注意点:現在では入手も現像も難しい

110フィルムは前述のように一度市場から姿を消しています。現在は「ロモグラフィー」さんのみ110フィルムを販売しているようです。ネットで購入することができます。また、現像は全国のいくつかの写真屋さんでのみ対応可能です。こちらもネットで申し込んで、郵送でフィルムを送ることが可能です。

近所のカメラ屋さんでフィルムを買って現像をすることができないため、少し手間があります。また、このような状況のため、いつ110フィルムの販売や現像サービスがなくなってしまうのかもわからないため、これから110フィルムを使用するカメラに手を出そうと考えている方は、そのあたりの理解も必要となります。

PENTAX AUTO110の交換レンズ

折角の一眼レフカメラですので、このカメラにはいくつかの交換レンズが発売されています。筆者は3点レンズを持っており使い分けています。レンズについては以下の記事をご覧ください。

まとめ

フィルムカメラ自体が珍しくなってきている昨今、その中でもひと際珍しい110フィルムを使用する、PENTAX AUTO110カメラを紹介しました。

これから始めるのはとてもハードルの高いカメラではありますが、中古カメラショップに行くと1台くらいは置いてあるカメラでもあるので、もし気になる方はお試しいただくのも良いと思います。ただし、いつフィルムがなくなるか、現像できなくなるかはご理解の上ご検討ください。

とても魅力的なカメラであるため、今後もPENTAX AUTO110カメラでの撮影を行っていきたいと思います。写真が増えたらまたブログに載せますので是非ご覧ください。

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